バイバイ。(追記)

ある日のこと。
元彼に「東京に行くことになりました」とメールしました。報告する義務もなかったんだろうけど。すぐに電話がかかってきたけれど、「もう会いたくない」と自分から言ってしまった以上、話をする勇気がすぐには出なくて。結局、毎晩彼からメールがあって、二日後に話をした。最後になるし会ってもいいかなと思った。ちょっとした出来心?または、単に寂しかっただけなのか?

会って、焼肉を食べました。
東京に行く話をしたら、「やりたいことがあってうらやましい」「偉いよ、すごいね」「かのちゃんがいなくなって寂しい」「俺はどうすればいいの」「ほんとうにこれで最後なの?」


「俺東京行っていい?」「この間いい物件あって迷ったんだけど、結局埋まっちゃったんだよ。今度いい物件があったら、俺と一緒に暮らそう」

私:「なんでそんなこと今更言うの?いつもいつも、あんたのそういう、口先だけで人の気持ちを考えない発言するところが大っ嫌いなのよ」
彼:「(苦笑)そういうとこもかのちゃんらしくて好きだよ」
……そうまで言われたら、ねぇ……ほだされてしまうじゃないですか。
けれどやっぱり私にとって、彼はこの先一緒にいたい人ではないし。


それにしてもまぬけだなぁと思う。一緒に旅行すら行ったことがないのに。
ホテルに行ったとして、一泊すら一緒にいたことがないのに。彼といれるのはそのくらいが限度なのかと思う。


車を置いてきた職場の駐車場まで、彼が送ってくれた。
私:「バイバイ」
彼:「ここから『愛してるぞー』って大声で叫んだら、どうなるかな」(付き合っていたときもそんなこと言わなかったのにね)
私:「バーカ。みんなが目をさますから本当にやめなよ。もう本当に最後だよ」
彼:「またね」名残惜しそうに彼が言う。
私:「またね」
車を降りた。
バイバイ。またねはないよ。
私が車を出すまで、ずっと彼は自分の車を出さず、待っていた。そんなことは今までなかった。
でも、バイバイ。



ああ、愛が欲しいわ(苦笑)