後悔後に立たず

彼に、別れ話じみたけんかをふっかけてしまう。一方的な私からの別れ話だ。


でもほんとうは、くつがえしてほしかった、ということに後から気づく。


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ホテルの1室で、抱きあって、そのあとで「もうこういうことをするのは、やめにしませんか?」と言った。


セックスの間・・・・・・
いつのまにかご飯食べてラブホコースばかりになってしまってわたしはこの人の何なんだろう?とか、
彼と私の考えのギャップについてだとか(人生観とか、価値観とか、いろいろ)、
するならするで、もっとゆっくり時間をかけてほしいのに、だとか、
そんなことを考えていたら、


もうやめにしたほうがいいんじゃないか・・・?と思った。
そんなことを考えながらするセックスは身体が反応しなくて、中断した。


そして、寝ている彼よりも先に服を着て。
言いながら、涙が出た。
ほんとうにやめたほうが良いと思うのなら平気なはず、だったのに。


彼になだめられて、
無理やり涙を止めて、気丈なふりをしてうちに帰ってきた。


一人の部屋で。
誰かと話をしたくて。
親友に電話して、うわんうわん泣いてしまった。


これでいいの?いいの?
よくないよ。


本当は。もっと一緒に。
もっといろんなところに行きたいのに、ということを伝えたかっただけなのに。
伝えたかったのはそういうことだった。
でも言えなかった。


彼に伝えるべきことを伝えられていないと思った。


泣いているうちに意識が遠のいて、朝になっていた。


朝起きて気づいたけれど、泣いて眠くて朦朧とした意識の中で、元夫に電話をかけていた。夜中で眠っていたから、出なくてよかったと思う。かけた自分が恥ずかしかった。困ったとき、辛いとき、いまだに彼を頼ってしまう。
・・・・・・・もうわたしは彼を頼らない。


***


仲直り、できるんだろうか。
したいよ。できるもんなら。
でも、どうしたらいいんだろう。