The Way We Were

絶望で消えてしまいたい夜、彼の笑わせてくれた言葉で、生きていてよかったと思ったの。看護師なんてむいてない、と看護学校をやめたいと思ったとき、彼が「看護学校に合格したってことはそれだけで適性があるってことだ」と言ってくれた。その言葉でギリギリ、がんばれた。 筑波山でのはじめてのキス。はじめて泊まりで行った房総。露天風呂の星空がキレイだった。旅行もたくさん行った。彼との旅行はいつも冒険だった。二人にしかわからない馬鹿な冗談。先に立てる寝息。上司のものまね。結婚式の十字架のまえでの誓い。


あなたはわたしのなかにたくさんのものを遺した。幸せな記憶ばかりじゃないけどほとんどは幸せだ。

その裏に裏切りがあったとしても、裏切り自体は悲しいけど、知らなかったことはわたしの中には残らない。


わたしはあなたになにを残せたのだろう。いつか、それがあなたの口からききたい。


思い出はもう現実にはならない。でも一つ一つがわたしのなかで、輝いている。